SESエンジニアとして常駐の現場で働くなか、「いつ契約を切られるか分からない」という不安を感じる人は少なくありません。
その不安は日々のパフォーマンスに影響を及ぼし、キャリアを考える上での大きな足かせにもなります。しかし、その不安は解消することができます。
この記事では、なぜSESエンジニアが契約の不安を抱えるのか、そしてそのリスクにどう備えて安定したキャリアを築いていくかについて、具体的な方法を解説します。
なぜSESエンジニアは「契約を切られる」不安を抱えるのか？
SESエンジニアという働き方は、特定の技術をもつエンジニアが、クライアントのプロジェクトに参画することで成立しています。
この働き方にはさまざまな現場を経験できるという利点がある一方で、「契約がいつ終了するか分からない」という特有の不安がつきまといます。
この不安は、個人の能力不足だけでなく、SESのビジネスモデルそのものに起因する側面もあります。
ここでは、SESエンジニアが契約の不安を抱える主な原因について詳しく見ていきます。
一般的に1カ月～3カ月単位での契約更新になるから
SESの契約は、多くの場合、1カ月〜3カ月といった短い期間で更新されます。
そのためエンジニアは、数カ月ごとに契約終了の可能性を考えなければならなくなります。
契約更新のたびに、自身のパフォーマンスや現場での貢献度を振り返り、「次も大丈夫だろうか」と不安になるのは自然なことです。
契約期間が短いのは、クライアントがプロジェクトの進捗や予算に応じて柔軟に人材を調整できるようにするためであり、それがそのままエンジニアの不安定さにつながっています。
業態的に不安定な契約形態であるため
そもそもSESは、人材の流動性があるからこそ成り立つビジネスモデルです。
クライアント企業はプロジェクトのニーズに応じて、必要なときに必要な期間だけ、外部の専門家であるSESエンジニアの力を借ります。
正社員をプロジェクトごとに雇用し、プロジェクト終了と同時に解雇するわけにはいかないため、代わりに外部のリソースであるSESエンジニアに頼るのです。
そのためプロジェクトの終了やクライアント側の都合で、契約が終了する可能性は常にあります。
この業界の特性が、エンジニアの雇用の不安定さを生んでいます。
営業とのコミュニケーション不足によるミスマッチがある
SESエンジニアとクライアントのあいだには、所属SES企業の営業担当者が入ります。
この営業担当者が、エンジニアのスキルやキャリアプランを十分に理解していない場合、案件のミスマッチが起こる可能性があります。
例えば経験の浅い技術の案件にアサインされたり、望まない業務を任されたりすると、現場で十分なパフォーマンスを発揮できず、結果的に契約終了につながるケースがあります。
営業は必ずしもエンジニアスキルに詳しいわけではないため、このようなミスマッチが発生する可能性は常につきまとっているのです。
単価交渉のため「自社のほうから契約終了」を申し渡す場合もある
契約終了が起こるのは、必ずしもクライアント企業からの終了の申し入れに起因するだけではありません。
現場でのパフォーマンスが良好でクライアントとの関係性も良好であるにもかかわらず、自社の都合で契約が終了するケースもあります。
これは主に単価交渉がうまくいかなかった場合に起こります。
例えばクライアントが提示する単価が会社の要求する単価と合わない場合、会社はより単価の高い別の案件にエンジニアをアサインするために、自社の判断で契約を終了させることがあるのです。
「良い現場で着実にスキルアップしていける」と思っていた矢先に自社都合で引き上げになるとしたら、それはエンジニアにとっては苦しいことなのではないでしょうか。
常駐しながら「契約を切られる」リスクに備える方法
契約がいつ終了するか分からないという不安は、日々の業務に取り組む上で大きなストレスになります。
しかしそのリスクは、日頃からの準備と行動によって減らすことが可能です。
常駐しながら次のキャリアを見据えた行動をとることで、万が一契約が終了しても慌てずに済むようになります。
ここでは、現場で働きながら契約終了のリスクに備えるための方法を紹介します。
現場で「いないと困る人」と思われる存在になる
契約が継続するためのもっとも強い後押しは、現場のメンバーから「この人がいないと困る」と言ってもらうことです。
そのためにはまずプロとしての責任感をもち、以下のような振る舞いを行いましょう。
- 期日を守る
- 報連相を徹底する
- チームの課題解決に小さくても貢献する
- 困っているメンバーを積極的にサポートする
- 不満をためこまず、建設的な形で改善案を共有する
これらを行うことで、チームにとって不可欠な存在になることができます。
案件内での役割を広げ別部署にも顔をつないでおく
自身の担当業務だけでなく、周辺の技術や他部署の業務にも積極的にかかわることで自分の市場価値を高められます。
例えばバックエンドエンジニアであっても、フロントエンドやインフラの知識も少しずつ身につけるといった姿勢が重要です。
これにより、もし今の部署で契約が終了しそうになっても、クライアント企業の別部署で継続して業務を続けることができる可能性が生まれます。
横断的なスキルと人脈をもつことで、契約を継続してもらうための選択肢を増やせるのです。
切られても次に移れる準備と進めておく
不安を解消するためには、万が一契約を切られてもすぐに次の現場に移れる準備を進めておくことが重要です。
そのための方法は主に二つあります。
一つは営業担当との連携を密にとることです。
案件の満了予定や延長の見込みについて早めに共有してもらい、次の案件探しを先んじて始めてもらいましょう。
また、案件内での自分の評価や、改善点を定期的に営業からヒアリングすることで、次の案件に活かせる情報を得ることも重要です。
もう一つは、一社だけに頼らないことです。
自社や登録しているSES企業1つだけに頼るのではなく、常に複数社のSES企業に登録しておき、いつ案件が切れそうになっても別案件に移れる準備をしておくのです。
この方法は、特にフリーランスエンジニアにとっておすすめです。
「契約が切れても安心」な営業力が強い会社を選ぶ
契約が終了するリスクを完全にゼロにすることはできませんが、万が一契約が切られても安心できる会社を選ぶことで、その不安は大幅に軽減されます。
高い営業力があれば、途切れることなく案件を紹介してもらえます。
契約が切られても問題ない盤石な営業体制をもつ会社を選ぶことが、長期的な安心につながります。
「契約を切られる」リスクに備えるための会社の選び方
すでにSESエンジニアとして働いている人のなかには、現在の会社では「契約を切られる」不安が解消できないと感じている人もいるかもしれません。
その場合は、より安定したキャリアを築ける会社への転職を検討したり、別の方法を考えることも一つの解決策です。
その際、「契約が切られるリスクにどう備えているか」という視点をもつようにしましょう。
ここでは、契約が切られる不安を少なくして安心して働けるSES企業を選ぶための具体的なポイントを解説します。
営業力と案件数を兼ね備えた会社を選ぶ
契約が終了してもすぐに次の案件に移れる体制があるかどうかは、会社の営業力に左右されます。
クライアント企業との強いつながりをもつ会社や、多様な業界・技術の案件を常に確保している会社であれば、契約が終了してもすぐに次の案件を見つけられる可能性が高いといえます。
営業力は、そのまま会社の安定性につながります。
多くの案件をもつことは、エンジニアが自分のキャリアプランに沿った案件を選びやすくなるというメリットももたらします。
自分に合った案件を選べる会社にする
優良な案件を複数抱えている会社であれば、自分に合った案件を紹介してもらえる可能性も高まります。
案件内で活躍できれば契約を切られるという心配も軽減できますし、磨きたいスキルを身につけられるのであればスキルアップしてより現場から必要とされる人材になっていけます。
優良な案件を複数保持しており、なおかつエンジニア側に案件選択の自由があるSES企業に登録するようにしましょう。
株式会社KAIZEN Tech Agentで、もう契約の不安に悩まされない働き方を
「契約を切られるかもしれない」という不安は、エンジニアのパフォーマンスを下げ、キャリアを停滞させてしまう可能性があります。
しかしそれは決して個人だけの問題ではありません。
所属する会社の体制やサポートが、その不安を大きく左右するため、安心できる会社を選ぶことも重要なポイントなのです。
私たち株式会社KAIZEN Tech Agentには、豊富な案件数と素早いマッチングで契約が終了してもすぐに次の案件を紹介できる体制が整っています。
私たちは登録してくれたフリーランスエンジニアの価値を誰よりも理解し、長期的なキャリアを共に築くパートナーです。
契約の不安に悩まず、仕事に集中できる環境を求めているなら、ぜひ一度ご相談ください。
